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type: article
title: 意外と身近な戦争の遺産＝住民票を例に
timestamp: 2011-08-15T00:00:00Z
profile: sorane-okf/0.1
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# 意外と身近な戦争の遺産＝住民票を例に

<p><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BD%AA%C0%EF%B5%AD%C7%B0%C6%FC">終戦記念日</a>に因んでという訳でもないが、ひとつ面白いなあと思ったのは戸籍と住民票についての話だ。住民票がいつからあったかと聞かれて、ちゃんと答えられるひとは少ない。わたしが知ってて<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%CB%A1%CC%B3%BE%CA">法務省</a>に質問した時も下記のような回答があった。</p>

<blockquote cite="http://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/kaikaku/dai6/gijiyousi.pdf" title="情報通信技術利活用のための規制・制度改革に関する専門調査会（第６回）"><p>○楠委員 初歩的な質問を３つほどさせていただければと思います。<br />
私は素人で、最初は住民票と戸籍の違いは何だろうというところから勉強を始めたのですけれども、そもそも日本において法的身分関係と居住関係というのを別々の省で所 管してばらばらに管理している理由というのはどういったところにあるのでしょうかとい うことが第１点です。 (略) <br />
○前野<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BB%B2%B9%CD%BF%CD">参考人</a> 今現在別々になっているということですけれども、昔は住んでいるところですべてを管理するということだったんです。ただ、人の移動が激しくなってきたとい うところで、身分関係は把握できるのだけれども、いろいろなところに住んでいらっしゃるということで、居住関係がすべてを追えるわけではなくなってきたというところがありまして、居住関係は別に登録しましょうということで、住民票は分かれていったという経緯があります。</p>
</blockquote><p><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%CB%A1%CC%B3%BE%CA">法務省</a>の回答は大まかに間違いではないのだが、あまりにふわふわした回答だったし、鉄道による移動や都市生活者の増加は明治後期から増えていたはずで、あまり納得できず改めて諸々調べたのだった。「住民票」なる語が登場するのは戦後の昭和26年の住民登録法である。しかしその原型は<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BE%BC%CF%C215%C7%AF">昭和15年</a>、配給が始まり実施のために町内会単位で法的根拠のないまま草の根的につくった「世帯台帳」に端を発している。「世帯台帳」は配給だけでなく様々な行政サービスに活用されていたが、戦後復興が進んで配給がなくなれば根拠を失う。その前に「世帯台帳」の法制化を求める<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BC%AB%BC%A3">自治</a>体に対し、戸籍を管理している<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%CB%A1%CC%B3%BE%CA">法務省</a>は、戸籍との整合性を確保するために寄留制度と擦り合わせるかたちで住民登録法を制定し「住民票」となったのである。後に昭和46年の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BD%BB%CC%B1%B4%F0%CB%DC%C2%E6%C4%A2">住民基本台帳</a>法で「住民票」は<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%CB%A1%CC%B3%BE%CA">法務省</a>から<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BC%AB%BC%A3%BE%CA">自治省</a>に移管された。<br />
<a href="http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AF%84%E7%95%99">&#x5BC4;&#x7559;&#x306E;&#x6982;&#x8981;&#x306F;Wikipedia&#x306B;&#x8A73;&#x3057;&#x3044;</a>が「住民票」以前は戸籍とは別の居所の把握は「寄留簿」によって行われていたものの、この寄留簿が手続きは煩雑な割に行政サービスと結びついておらず、届け出る誘因が小さいために、実態に即して更新されていなかったようである。それが配給という住民の死命を制する行政サービスが必要となった時に顕在化して草の根ベースの実態に即した「世帯台帳」を必要としたようだ。<div class="hatena-asin-detail"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4817812125/mkusunokhaten-22/"><img src="/images/imported/aHR0cHM6Ly9pbWFn.jpg" class="hatena-asin-detail-image" alt="現行戸籍制度50年の歩みと展望" title="現行戸籍制度50年の歩みと展望"></a><div class="hatena-asin-detail-info"><p class="hatena-asin-detail-title"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4817812125/mkusunokhaten-22/">現行戸籍制度50年の歩みと展望</a></p><ul><li><span class="hatena-asin-detail-label">作者:</span> 戸籍法50周年記念論文集編纂委員会</li><li><span class="hatena-asin-detail-label">出版社/メーカー:</span> 日本加除出版</li><li><span class="hatena-asin-detail-label">発売日:</span> 1999/10/01</li><li><span class="hatena-asin-detail-label">メディア:</span> 単行本</li><li><a href="http://d.hatena.ne.jp/asin/4817812125/mkusunokhaten-22" target="_blank">この商品を含むブログ (1件) を見る</a></li></ul></div><div class="hatena-asin-detail-foot"></div></div>この歴史的経緯を知ると3.11後の状況はまさに今の行政制度が機能しなくなっている、散らばった被災者向けの行政サービスを提供するために今の仕組みを再構築していく必要を感じるのだが、いわゆる国民ID制度がそうなっていない、3.11前の議論の延長線上にあるのは残念なことだ。</p>
