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title: 震災や停電を乗り切れる企業ITへ - クラウドとBYODを前提に
timestamp: 2011-05-25T00:00:00Z
profile: sorane-okf/0.1
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# 震災や停電を乗り切れる企業ITへ - クラウドとBYODを前提に

<p>明日から情報セキュリティの白浜シンポジウム、僕は金曜に話すことになっていて、事務局からはCloud Securityについて何か話してくれと依頼されたのだが、去年の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D6%A5%ED%A5%C3%A5%AD%A5%F3%A5%B0">ブロッキング</a>と違って僕は当事者じゃないし詳しくもない。なにせ白浜だけに僕より詳しいひとは詳しいだろうし、一方でそこまでは知らないひともいるだろうし、割と話しにくそうだなと悩んでいたのである。

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このところ140文字で書き捨てることばかりに慣れてしまって、90分も何かひとつのことについて話す機会って割と限られる。白浜の規模だと<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A4%A5%F3%A5%BF%A5%E9%A5%AF%A5%C6%A5%A3%A5%D6">インタラクティブ</a>に<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A4%AA%C3%E3%A4%F2%C2%F9%A4%B9">お茶を濁す</a>ことは難しい。たぶん70分ちょっとは何か話す題材が必要である。でもって僕自身がとんと<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AF%A5%E9%A5%A6%A5%C9">クラウド</a>・セキュリティにとんと興味がない。絶望的なほど興味がない。何というかオンプレミスと同じことが出来ますと主張することが<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AF%A5%E9%A5%A6%A5%C9">クラウド</a>にとってどれほど重要だろうかという疑問を持っている。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C0%FC%A4%C3%A4%BF">穿った</a>見方をすれば<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AF%A5%E9%A5%A6%A5%C9">クラウド</a>に乗り損ねた<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A8%A5%F3%A5%BF%A1%BC%A5%D7%A5%E9%A5%A4%A5%BA">エンタープライズ</a>・ベンダの<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B5%ED%CA%E2%C0%EF%BD%D1">牛歩戦術</a>ではないかとさえ思う。<br />
で、ともかく僕は震災以降、毎日のように<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C3%CF%BF%CC">地震</a>と<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B8%B6%C8%AF">原発</a>のことが頭を離れなくなってしまった。だから白浜でも震災後の世界について話そうと思う。月並みな話から始めれば、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AF%A5%E9%A5%A6%A5%C9">クラウド</a>の生産性は高い。むちゃくちゃ高い。高過ぎて商売にならないほどである。震災から2ヶ月、様々なサービスが無償でリリースされた。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C3%CF%BF%CC">地震</a>から数時間で立ち上がったsinsai.infoをはじめ、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Google">Google</a>のPeople Finderにしても、弊社の提供した<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%CA%B8%C9%F4%B2%CA%B3%D8%BE%CA">文部科学省</a>の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%CA%FC%BC%CD%C0%FE">放射線</a>量情報もほんの数日で構築されている。予算がつくより早くシステムが立ち上がってしまって商売にならないのである。<br />
お陰でという話でもないのだが、一次補正には殆どIT予算が乗ってないし二次補正もどうなるか疑わしい。きっと瓦礫処理の方が大事だろうから、それはそれで仕方ないのだろう。ボランティアや避難所のPCとか3000台近く寄付されたが、いつまで通信サービスとか無償提供するのか、当初は予算化が間に合わない緊急支援として企業が社会貢献で提供していたのが、現に提供されているから予算化されないとなると結果として商売の邪魔になるんじゃないかと心配している。<br />
ところで夏の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B7%D7%B2%E8%C4%E4%C5%C5">計画停電</a>を回避できるのか今でも心配しているが、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B7%D7%B2%E8%C4%E4%C5%C5">計画停電</a>は23区外の事業所とか、オンプレミスのサーバーと電池を抱いてないデスクトップPCの価値を劇的に下げた。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%CC%B5%C4%E4%C5%C5%C5%C5%B8%BB%C1%F5%C3%D6">無停電電源装置</a>は停電時に正しくシャットダウンしてデータを保護するためには使えるが、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B7%D7%B2%E8%C4%E4%C5%C5">計画停電</a>を乗りきれるほど容量は大きくない。デスクトップPCは持ち帰れないし、電気がこなけりゃただの箱である。これからコストに厳しい企業も5時間くらいはバッテリーで動くノートPCを端末として使うだろうし、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AF%A5%E9%A5%A6%A5%C9">クラウド</a>に置けるシステムは<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AF%A5%E9%A5%A6%A5%C9">クラウド</a>に置こうとするだろう。横並びの節電目標もデスクトップを捨ててノートPCに切り替える契機になる。ルータとかネットワーク機器も停電で止まるので、バックアップを兼ねて<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%E2%A5%D0%A5%A4%A5%EB%A5%EB%A1%BC%A5%BF%A1%BC">モバイルルーター</a>も必要だ。<br />
さらに踏み込めば個人所有している<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B9%A5%DE%A1%BC%A5%C8%A5%D5%A5%A9%A5%F3">スマートフォン</a>や<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%BF%A5%D6%A5%EC%A5%C3%A5%C8">タブレット</a>を業務で使うケースも増える。いわゆるBring Your Own Deviceというやつで、米国政府が2年以内にBYODへ舵を切るという<a href="http://htn.to/QS6eHP">&#x5831;&#x9053;&#x3082;&#x51FA;&#x59CB;&#x3081;&#x3066;</a>いる。もちろん頭の硬い日本の大組織ではそういった機器の業務利用も規制している場合が多いのだが、実際には規制の厳しい役所や<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C6%FC%B7%CF%B4%EB%B6%C8">日系企業</a>ほど実質的なBYODが進んでいる。<br />
例えばこの1〜2年で<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B2%E2%A4%AC%B4%D8">霞が関</a>の官僚で<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/iPhone">iPhone</a>持ちの「タダ友」が随分と増えたが、彼らが異口同音にいうのが「業務でPCサイトをみる必要があるのに、職場のパソコンじゃフィルタリングが厳し過ぎて仕事にならない。仕方なく私物のケータイを<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B9%A5%DE%A1%BC%A5%C8%A5%D5%A5%A9%A5%F3">スマートフォン</a>に買い換えた」という話である。彼らは私物の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B9%A5%DE%A1%BC%A5%C8%A5%D5%A5%A9%A5%F3">スマートフォン</a>で、自由なインターネットを使い、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/gmail">gmail</a>で大きな添付ファイルをやりとりし、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Twitter">Twitter</a>で世論を垣間見ているのである。<br />
セキュリティがガチガチなことで有名な日の丸IT企業の友人も、職場じゃ仕事にならないといって抜けだしては喫<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C3%E3%C5%B9">茶店</a>で<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B9%A5%DE%A1%BC%A5%C8%A5%D5%A5%A9%A5%F3">スマートフォン</a>を使って仕事してる。会社のアドレスではなく<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/gmail">gmail</a>とドロップボックスで社外とのプロジェクトを進めるのである。皮肉なことに日本でも旧態依然とした保守的な組織ほど草の根BYODが進展している。実質的なセキュリティを考えると非常にまずい話とも思えるが、情シス部門が責任さえ回避できれば構わないという話ではないだろう。<br />
もともと<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AF%A5%E9%A5%A6%A5%C9">クラウド</a>そのものがコンシューマ向けの検索やフリーメールのためのインフラ技術が徐々にオープン化されて企業ITでも活用される先駆だった。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B9%A5%DE%A1%BC%A5%C8%A5%D5%A5%A9%A5%F3">スマートフォン</a>やソーシャルなど<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AF%A5%E9%A5%A6%A5%C9">クラウド</a>に続いている。けしからんというのは容易だが、震災後に活躍したのはこういう技術ではないか。パソコンの持ち出しを禁じ、在宅勤務を認めない会社は、震災で電車が止まって出勤できなくなれば業務が止まったのではないか。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Skype">Skype</a>を禁じている会社は、流れたミーティングの代わりの<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Skype">Skype</a>での電話会議に参加できなかった。Thin Clientは同時ログイン数が足りなくなったのではないか。もともとモバイルを認め、ネットからもアクセスできるIT基盤を構築している企業は、電車が止まろうが従業員宅の電気が止まろうが、何とか仕事を継続できたのである。これは先の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C3%CF%BF%CC">地震</a>直後だけでなく、電力が足りなくなる夏や、近く起こることが懸念される関東での<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C3%CF%BF%CC">地震</a>も見据えて重要な問題だ。<br />
そういう訳で、今のところ<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AF%A5%E9%A5%A6%A5%C9">クラウド</a>・セキュリティというと、専ら閉じたオンプレミスの業務システムと同じだけの安全性をどう担保するかの議論に終始している印象を受けるが、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AF%A5%E9%A5%A6%A5%C9">クラウド</a>を使うことの価値や事業継続に求められる要件を考えると、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D1%A5%D6%A5%EA%A5%C3%A5%AF%A5%AF%A5%E9%A5%A6%A5%C9">パブリッククラウド</a>でロケーションアウェアに使えるところに本当の価値があるんだろうし、管理の難しい代替手段が数多く無償で提供されている中で如何に統制を維持するかであったり、そういうネットに開かれたオープンなシステムの上でデータ管理ポリシーを徹底するための、クロス<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%C9%A5%E1%A5%A4%A5%F3">ドメイン</a>認証なり暗号技術の議論こそが本筋なんじゃないの？という気がしている。<br />
私物の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B9%A5%DE%A1%BC%A5%C8%A5%D5%A5%A9%A5%F3">スマートフォン</a>から会社のメールにアクセスできるようにした場合に、その情報をどうやって守るのか、という議論である。社員による意図的な漏洩や、飲み屋で落としてしまうことも見越して脅威モデルをつくる必要がある。いろいろな意味で割り切りが必要な状況ではあるが、今のようにガチガチに社内システムを縛ったところで、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/gmail">gmail</a>やら<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/dropbox">dropbox</a>といった統制の外側に実質的な業務が移ってるだけで、それは責任回避のひとつの有り様かも知れないが、統制の観点からはBYODを織り込んで<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AF%A5%E9%A5%A6%A5%C9">クラウド</a>時代の企業システムを考える必要があるだろう。<br />
まだ考えが煮詰まっていないのだけれども、夏に大規模停電が起こる可能性や、関東での大<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C3%CF%BF%CC">地震</a>、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B8%B6%C8%AF">原発</a>がまずいことになっての自宅待機とか、それくらいのシナリオは十分に予想される中で、今あるシステムで業務が動き続けるか考えると諸々の課題が見えてくるのではないか。<br />
もうひとつ、震災直後はボランティアでワイガヤとサービスをつくり、ガツンと社会貢献で寄付するのも面白いが、震災<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A4%AB%A4%E9%A4%B7">からし</a>ばらく経って息切れしつつある。これまで<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C5%C5%BB%D2%C0%AF%C9%DC">電子政府</a>における調達というと、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B6%A5%C1%E8%C6%FE%BB%A5">競争入札</a>による公平性ばかりが重視され、年次予算の単位で計画的に構築されてきたのだが、ニーズがコロコロ変わるのに対して数日で実装できる世界でそれが正しいのか、効率的なのか、国が数年で何億円もかけるよりはボランティアで数日汗をかいた方が立派な成果が上がる例が出始めて、予算のサイクルで動いても必要なときには間に合わない中で、実際に使われたサイトに対して後から賞金を出すとか、実際に使われている端末やらインフラに対して後から買い上げるとか、これまでと違った調達があっても面白いんだろうと思うのだが、調達制度の実情を考えると簡単ではないのだろう。<br />
いずれにしても震災を通じて垣間見た近未来のEnterprise ITへ向けて何をどう突破していく必要があるのか、まだ考え始めたばかりなのだが、そういう視点で<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AF%A5%E9%A5%A6%A5%C9">クラウド</a>・セキュリティとか考えると、まただいぶ違う視点もあるんじゃないかと思案してるところ。なかなかうまい結論がまとまらないので、これから布団に入って悶々と考える。</p>
