---
type: article
title: 電子書籍も電子貨幣も 新しい革袋に古い酒
timestamp: 2008-07-02T00:00:00Z
profile: sorane-okf/0.1
noFontEmbedding: true
---

# 電子書籍も電子貨幣も 新しい革袋に古い酒

<p><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B1%A1%BC%A5%BF%A5%A4%BE%AE%C0%E2">ケータイ小説</a>がミリオンセラーとなったところで出版文化のネット化は面白いほど進んでいる気がするし、家電メーカーの<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C5%C5%BB%D2%BD%F1%C0%D2">電子書籍</a>リーダーが売れなかったところで気にする必要。結局のところ新技術で既存の何かを模倣しても駄目。新しい文法に合わせて、新しい文化をつくらなきゃ。</p>
<blockquote cite="http://blogmag.ascii.jp/kodera/2008/07/02124533.html" title="来なかった電子書籍の未来 - コデラノブログ 3"><p>今回の失敗は、あまりにも既存の書籍ビジネスを電子的に転換することに集中・配慮しすぎたことではないかと思う。携帯書籍のようなまったく新しい流通を生み出すインフラが、ネット上に構築できなかったというのは、「ネットの自由」からはほど遠い現実として受け止めなければならない。</p>
</blockquote>

<p>いまじゃ笑い話だけど、10年くらい前は<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C5%C5%BB%D2%A5%DE%A5%CD%A1%BC">電子マネー</a>について大真面目に語られていた。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/SSL">SSL</a>はカード番号を加盟店に渡すところが危ないので、SETで三角決済にしようとか、いやデジキャッシュのブラインド署名だとか、Mondexもネット対応しまっせとか。10年以上経って、けっきょく<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/SSL">SSL</a>でカード番号を流して<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Amazon">Amazon</a>や<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/iTMS">iTMS</a>で買い物し続けているなんて、当時の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C5%C5%BB%D2%A5%DE%A5%CD%A1%BC">電子マネー</a>屋からみたら悪い冗談だろ、みたいな。SETの複雑な<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D7%A5%ED%A5%C8%A5%B3%A5%EB">プロトコル</a>にボーナス一括払いとか突っ込むために、何億円くらい使ったんだっけ。<br />
<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C5%C5%BB%D2%BD%F1%C0%D2">電子書籍</a>も、既存の本を紙っぽいUIで提供することに<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B8%C7%BC%B9">固執</a>し過ぎていて、それってそんなに大事だっけ、みたいな話はある。辞書の電子化とか着実に進んでいる訳で、それは紙の辞書ほどかさばらないし、検索とか発音再生とかネット的な特徴を活かせていることもあるんだろう。そのうち電子辞書に<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Wikipedia">Wikipedia</a>参照機能とかついたら笑うかも。<br />
どっちにしても、電子的に現実を模倣しようとしたって、ちょっと不便な何かをつくることにしかならない。コンピュータだから、ネットだからできる新しい価値とか創造プロセスとか文化がないと、伸びないんだよね。貨幣や書籍に限らず、電子何たらって企画はまず疑ってかかった方がいいよ。提供できる価値が明確なら、既にある何かに価値を仮託する必要はないんだしさ。</p>
