本書は大塚久雄から、フロム、全共闘尾崎豊、オウム、エヴァンゲリオンを経てリチャード・フロリダまで一気に駆け抜ける自由論の戦後史。昨晩はSDの元担当編集と飲んでいて、最近は新書が乱発気味だけれども、時折読ませる本があるねという話をしていたら、すぐに橋本努氏の名前が出てきて驚いた。この手のって「そうそう、そうなんだよ」みたいな共感がないと面白くないんだが、図らずも僕は大塚久雄から全共闘くらいまでは何となく齧っていて、オウムとかエヴァンゲリオンは同時代として楽しんだ。最近のギークがスーツを見下している云々といった記述とかWeb 2.0に対する過大評価には違和感を覚えたが、「自らの能力を最高度に実現せよ」という時代の要請と「潜在能力を開花させれば生計が成り立つなどと勘違いするな」という時代の現実の狭間で足掻きながら「創造としての自由」を模索することになるのだろう。