さほど目新しい話は書かれていないが、比較的よくまとまっている1冊。NGNについては以前から、何故かくも賢い人々が集まって珍妙な網をつくるのか不思議に思っていたんだが、本書を読めば何となく理解できるようになる。
大雑把に要約すると技術系では設備投資計画を決める設備屋が強く、会社全体では人事を握り政治家と結びついている労務屋が強く、幹部は今も電話時代の成功体験に引きずられて、技術を分かって筋を通した人材の多くは関連会社へ飛ばされたらしい。
本書では特に触れられていないが、かつて何故かくもADSLを忌避したのか、なぜπシステムのような中途半端な光化を推進したのか、外からみていて謎だったことの疑問も氷解する。そして本書を読んで考えさせられたのは、成熟期にある企業が如何に時代の変化に適応し、古い企業文化から脱皮することが如何に難しいかということだ。